大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)5290 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人佐藤義彌の上告趣意は、末尾添付別紙記載のとおりである。

趣意第一点について。

所論は、違憲をいうが、その実質は訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条上

告適法の理由に当らない。(本件起訴状は、公務執行妨害罪の構成要件である公務

執行中の公務員に対する一連の暴行脅迫の事実を表示し、一罪として起訴したもの

であるから、所論のように、被告人の悪性を指示するものとは認められないし、起

訴状一本主義の法定手続の保障を蹂りんしたとも考えられないし、また、訴因の特

定を欠いた起訴状とも言えない。)

同第二点について。

所論は、事実誤認の主張であり、上告適法の理由にならない。

同第三点について。

本件において、裁判官が、所論のように、民族的差別意識をもつたとか、平等の

原則に違背したとかということは、記録上認められないから、所論違憲論は、その

前提を欠き、上告適法の理由に当らない。

同第四点について。

弁護人選任に関する告知手続は、憲法三七条三項の要請に基くものでないことは、

当裁判所屡次の判例の趣旨に徴し明らかである。(昭和二四年(れ)二三八号同年

一一月三〇日大法廷判決、集三巻一一号一八五七頁、同年(れ)六八七号同年一一

月二日大法廷判決、集三巻一一号一七三七頁。昭和二五年(あ)二一五三号、同二

八年四月一日大法廷判決、集七巻四号七一三頁各参照)。のみならず本件は必要的

弁護事件ではなく、しかも、記録によれば上告趣意書提出最終日は昭和二九年一月

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二五日であるところ、被告人は同年同月一四日弁護人を私選し、同弁護人において

期限内に上告趣意書を提出しているのであるから、論旨は理由がない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年一〇月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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